枕下まくらもと)” の例文
犯罪捜査を生命とする波越警部は、枕下まくらもとに官服と電話器とを置いて眠る習慣だったので、取次を待つ面倒もなく、直様聞慣れた相手の声が出た。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
警察の人達が参ってから、最初は、兇器のピストルが問題になりましたけれど、そのピストルは、良人のベッドの枕下まくらもとにある小机の抽斗ひきだしへ、いつも入れて置いたものでございます。
偽悪病患者 (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
重い枕下まくらもとへ金三郎様をお呼び寄せの上、実はこれこれの次第と箪笥たんす抽斗ひきだし深くしまってあった新太郎少将様の御守脇差を取出させて、渡されて、しかし決して名乗り出ては相成ならぬ。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
私の枕下まくらもとに見知らぬ懐中時計が置いてあるではありませんか、妙だなと思っている内に、同じ下宿にいた、ある会社員の男が『時計がない、時計がない』という騒ぎなんでしょう。
二癈人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その人の枕下まくらもとに、やっぱり美しい罐入りのチョコレートがあったじゃないか。そいつを君は持って来たじゃあないか。あの時君が突きさしたのは、どんな人だったか覚えているかい。さあ答えて御覧
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ベッドの枕下まくらもとの小さい卓上電燈が、天井に丸い光を投げていた。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)