枕邊まくらもと)” の例文
新字:枕辺
ふと目が覺めると、消すを忘れて眠つた枕邊まくらもとの手ランプの影に、何處から入つて來たか、蟋蟀こほろぎが二匹、可憐な羽を顫はして啼いてゐる。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
良因 夜になるときり/″\すが枕邊まくらもとでも鳴いてをります。
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
それから幾時間いくじかんねむつたからぬが、不意ふゐわたくし枕邊まくらもと
仕方がないので二人は右と左に離れて寢たが、夜中になつてお定が一寸目を覺ました時は、細めて置いた筈の、自分の枕邊まくらもと洋燈ランプが消えてゐて、源助の高いいびきが、どうやら疊三疊許り彼方あつちに聞えてゐた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)