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ふしおが
高坂は、
悚然として思わず手を
挙げ、かつて
婦が我に
為したる如く
伏拝んで
粛然とした。
終ると、頼朝は
額ずいて、鶴ヶ岡八幡のほうを
伏拝んだ。
月影が射したから、
伏拝んで、心を
籠めて、
透かし透かし見たけれども、
眗したけれども、
見遣ったけれども、ものの
薫に形あって
仄に
幻かと見ゆるばかり、雲も雪も紫も
偏に夜の色に
紛るるのみ。
久八
敏くも
悟り得て又改めて申すやう其長庵とかに
騙られし五十兩の
金子の
穴其外
是迄遣はれし金の
仕埋は私しが御
引受申ます必ず/\御
心配遊されなと何事も
忠義面に
顯れたる久八が意見に千太郎は
伏拜み
返す/″\も
辱けなし此恩必ず
忘却はせじと
主從兩人寄擧り
暫し涙に
沈みけり