伏拝ふしおが)” の例文
旧字:伏拜
高坂は、悚然ぞっとして思わず手をげ、かつておんなが我にしたる如く伏拝ふしおがんで粛然しゅくぜんとした。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
終ると、頼朝はぬかずいて、鶴ヶ岡八幡のほうを伏拝ふしおがんだ。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
月影が射したから、伏拝ふしおがんで、心をめて、かし透かし見たけれども、みまわしたけれども、見遣みやったけれども、もののかおりに形あってほのかまぼろしかと見ゆるばかり、雲も雪も紫もひとえに夜の色にまぎるるのみ。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)