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ひをけ
雪こそふれ
夜はまだそれほどに
御座りませねばと
歸り
支度とゝのへるにそれならば
誰ぞ
供にお
連なされお
歩行御迷惑ながら
此邊には
車鳥渡むづかしからん
大通り
近くまで
御難澁なるべし
家内にてすら
火桶少しも
放されぬに
夜氣に
當つてお
風めすな
失禮も
何もなしこゝより
直にお
頭巾召せ
誰れぞお
肩掛お
着せ
申せと
總掛りに
支度手傳は
火桶の
面を
背けると、
机に
降込んだ
霰があつた。