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ひやくねん
定めし
山口は
百年の
不作だとでも
評して、
妻たる
者の
風上へも
置かれぬ
女と
言はれましてしやう。
其のをのこ
國訛にや、
百年といふが
百年々々と
聞ゆるもをかしく
今は
名所となりぬ。
春から
夏にかけて
山の
雪が
消えた
頃が、この
山火事の
一番多い
時で、
煙草の
吸ひ
殼や、たき
火をした
人のちよっとした
不注意で、
百年かゝつて
出來上つた
森林も
數時間もたゝない
間に