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とうみやうざら
三
人が
田甫を
往復してから
暫く
經つて
村落の
内からは
何處の
家からも
提灯持て
田甫の
道を
老人と
子供とがぞろ/″\
通つた。
勘次は
提灯の
火を
佛壇の
燈明皿へ
移した。
兎も
角も
土方を
菱沼の
宅に
訪ねて、
其出たといふ
土器を
見ると、
完全なる
徳利形の、
立派なる
彌生式である。それに
又カワラケの
燈明皿(
燈心の
爲に一
部の
黒く
焦げたる)と、
高抔の一
部とである。
さういつて
爺さんは
佛壇の
隅に
置いた
燈明皿を
出して
其の
油を
火傷へ
塗つた。