-
トップ
>
-
そうゐん
道翹が
答へた。「
豐干と
仰やいますか。それは
先頃まで、
本堂の
背後の
僧院にをられましたが、
行脚に
出られた
切、
歸られませぬ。」
學院に
遣はして
子弟に
件はしむれば、
愚なるが
故に
同窓に
辱めらる。
更に
街西の
僧院を
假りて
獨り
心靜かに
書を
讀ましむるに、
日を
經ること
纔に
旬なるに、
和尚のために
其の
狂暴を
訴へらる。
一
體詩を
吟ずることの
好な
人で、
裏の
僧院でも、
夜になると
詩を
吟ぜられました。
「はあ。
活きた
阿羅漢ですな。
其僧院の
址はどうなつてゐますか。」