“おほつゑ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大津絵50.0%
大津繪50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
第一に年齢としちがせゐもあつたが、和上は学者で貧乏を苦にせぬ豪邁がうまい性質たち、奥方は町家の秘蔵娘ひざうむすめひまが有つたら三味線を出して快活はれやか大津絵おほつゑでも弾かう
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
自分は反動的に気がふさぎ出したから、小林君に又大津絵おほつゑでも唄ひませんかと、云つた。小林君は脇息けふそくによりかかりながら、子供のやうに笑つて、いやいやをした。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
この三味線しやみせんに合せて、小林君が大津絵おほつゑのかへ唄を歌つた。なんでも文句もんく半切はんせつに書いたのが内にしまつてあつて、それを見ながらでないと、理想的には歌へないのださうである。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
大津繪おほつゑの藤娘が被て居る市女笠いちめがさの樣な物でも大分に女の姿を引立たして居ると自分は思ふのである。
巴里にて (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
……のきかどかたむいて、破廂やれびさし月影つきかげ掛棄かけすてた、すぎが、げんふくろふのやうに、がさ/\と釣下つりさがつて、ふるびたさまは、大津繪おほつゑやつこ置忘おきわすれた大鳥毛おほとりげのやうにもえる。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)