大津絵おほつゑ)” の例文
旧字:大津繪
第一に年齢としちがせゐもあつたが、和上は学者で貧乏を苦にせぬ豪邁がうまい性質たち、奥方は町家の秘蔵娘ひざうむすめひまが有つたら三味線を出して快活はれやか大津絵おほつゑでも弾かう
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
自分は反動的に気がふさぎ出したから、小林君に又大津絵おほつゑでも唄ひませんかと、云つた。小林君は脇息けふそくによりかかりながら、子供のやうに笑つて、いやいやをした。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
この三味線しやみせんに合せて、小林君が大津絵おほつゑのかへ唄を歌つた。なんでも文句もんく半切はんせつに書いたのが内にしまつてあつて、それを見ながらでないと、理想的には歌へないのださうである。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)