“おとり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
94.9%
媒鳥2.0%
1.0%
囮鴨1.0%
御取1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二俣尾でおりて駅長さんに釣り場の様子を聞きながら、おとりアユを売っているところなどを尋ねると、囮なら私の家にありますという。
江戸前の釣り (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)
僕は技巧という二字を細かに割って考えた。高木を媒鳥おとりに僕を釣るつもりか。釣るのは、最後の目的もない癖に、ただ僕の彼女に対する愛情を一時的に刺戟しげきして楽しむつもりか。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ことさらに無心な顔を作り、思慮の無いことを云い、互に瞞着まんちゃくしようとつとめあうものの、しかし、双方共力は牛角ごかくのしたたかものゆえ、まさりもせず、おとりもせず、いどみ疲れて今はすこし睨合にらみあいの姿となった。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
特志の警官隊が女装して囮鴨おとりとして深夜の町に散らばった。ホワイトチャペル街の夜の通行人は一人残らず不審訊問を受けた。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
いまぶんにてじようさまと御祝言ごしうげん御家督ごかとくひきつぎはやはやきおとしにはあるまじくと大賛成おほさんせいに候、さだめしさだめし其地そのちにはあそばしかけの御用事ごようじ御座ござ候はんしかるべく御取おとりまとめ
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)