“いなご”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イナゴ
語句割合
蝗78.6%
螽10.3%
蝗虫3.2%
蛗螽2.4%
蝗蟲2.4%
蝗螽1.6%
稻子0.8%
螽斯0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうしてその音の起る度に、矢は無数の蝗(いなご)のごとく、日の光に羽根を光らせながら、折から空に懸(かか)っている霞の中へ飛んで行った。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
店頭に立ち止まつた配達人の姿を見ると、きりぎりすの孫に當る螽(いなご)のやうに痩せた今の若い女將(おかみ)が飛んで出て、配達人に何か言つてゐた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
何時(いつ)の間にか彼女の心は、蝗虫(いなご)を捕(と)って遊んだり草を藉(し)いて寝そべったりした楽しい田圃側の方へ行って了った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
蛗螽(いなご)を捕つたり、野鼠を追出したりして、夜はまた炉辺(ろばた)で狐と狢(むじな)が人を化かした話、山家で言ひはやす幽霊の伝説、放縦(ほしいまゝ)な農夫の男女(をとこをんな)の物語なぞを聞いて、余念もなく笑ひ興じたことを憶出(おもひだ)した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
蜜と蝗蟲(いなご)とはかの洗禮者(バテイスタ)を曠野(あらの)にやしなへる糧(かて)なりき、是故に彼榮え、その大いなること 一五一—一五三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
空が曇つたら、蝗螽(いなご)の瞳が、砂土の中に覗くだらう。
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
一人々々數へると、田圃の稻子(いなご)に過ぎないけれど、密集して來る時の力は怖ろしい。しかし自分は吠えながら逃げる犬を學ぶのはよさう。噛み殺される迄鬪つてみよう。
私はある時友達と一所(いつしよ)に、田圃へ螽斯(いなご)を取りに行つて狐に化された風(ふう)をしました。初めは戯談(じようだん)でしたのですが、皆がもうそれにしてしまふので仕方なしに続けてお芝居をして居ました。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)