)” の例文
しかしてふ、トラゲヂーの出来事は人物が其力量識見徳行の他に超抜するにもかゝはらず、不幸の末路に終へしむる所の衝突コンフリクトを有し
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
第一を日葉酢ヒハス姫とひ、第二を渟葉田瓊入ヌハタヌイリ媛と曰ひ、第三を真砥野マトヌ媛と曰ひ、第四を䈥瓊入アザミヌイリ媛と曰ひ、第五を竹野たかの媛と曰ふ。(垂仁紀)
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
その友の一人なる壮年なりき、突然とし彼はえり、「佐太郎和主も来たり見よげに希代のものを捜し出せり、く疾く疾く来よ」
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
みぞの底の汚泥をつかみ出すのは世態に通じたもののすることでは無い、と天明度の洒落者しゃれものの山東京伝はったが、秀吉も流石さすがに洒落者だ。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
何處いづこにありや。我は直にかくへり、是においてか彼。汝の願ひを滿さんためベアトリーチェ我をしてわが座を離れしむ 六四—六六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
而して此間にあたりて白眼天下を睥睨へいげいせる布衣ほいの学者は日本の人心を改造したり、少くとも日本人の中に福沢宗とふべき一党を形造れり。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
否、(師が答えてった)汝の脈の最後の三つが打ち切るまで歇む可からず。汝を全くせむには、それらの困難艱苦は必要なるが故なり。
「神武紀」にはまた「やつかれれ国つ神、名を珍彦うずひこふ」とあり、また同紀吉野の条には、「臣は是れ国つ神名を井光いひかす」
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ある時この人が私にうに、僕は学校に於ておそわったことは何も役に立たなかった、しかし少しばかり学んだ哲学が僕に非常な利益を与えたと。
女子教育に就て (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
いんくわがあつて、文に「菅氏」とつてあつた。若江氏は菅原姓であつたと見える。是は倉知氏の写して寄せたものである。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
打スレバ則チ棒ヨリモ利アリ、刺ストキハ則チ刃ヨリモ利アリ、ふたつナガラ相済あひすくフ、一名ヲこんフ、南方ノ語也、一名ヲ白棒ト曰フ、北方ノ説也。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
明和めいわ戊子ぼし晩春、雨れ月朦朧もうろうの夜、窓下さうかに編成し、以て梓氏ししあたふ。題して雨月物語うげつものがたりふと云ふ。剪枝畸人せんしきじん書す。
... しんひそか(九九)留心りうしんきをおそる」と。武矦ぶこうすなははん、「奈何いかんせん」と。きみつて武矦ぶこうつてへ、「こころみに(一〇〇)くに公主こうしゆもつてせよ。 ...
いなと云へどふるしひのがしひがたり、ちかごろ聞かずてわれひにけり」と万葉まんようの歌人がうた通りです。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
曾て「秩父の奥山」なる記事を書いた時、私は今日の秩父山が、渓流の澄澈ちょうてつと、森林の蓊鬱おううつと景趣の幽邃ゆうすいとに於て、其権威の絶頂にあるものであるとうた。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
子曰く、なんじ(汝)なんわざる、その人とりや、発憤して食を忘れ、楽しみて以て憂いを忘れ、老いのまさに至らんとするを知らざるのみと。(述而じゅつじ、一八)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
九月十八日、官、三人の罪を裁して曰く、「こころは国のためにすとうといえども、実に重禁を犯す、罪ゆるすべからず」と。ってみな国にりて禁錮せしむ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
またこのけものを拝し、ひけるは、誰かこの獣の如きものあらんや、誰かこれと戦ひをなすものあらんや……ね、まる独帝カイゼルはまるだらう、所が次を見給へ
校長君は開校の詞を述べてえらく、天下更始、新主義の学起る、都鄙とひの子弟争てこれを講じ、早くこれを実際に応用せんと欲す、速成の教授今日に切なるが如しと。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
我らは苦痛を忍んで解脱せねばならぬ。繰り返してう、諸君、我々は生きねばならぬ、生きるために常に謀叛しなければならぬ、自己に対して、また周囲に対して。
謀叛論(草稿) (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
或ははく、所謂国民性の描写を言ふものの真意は今の写実的小説に慊らざる所あるが為なりと。
国民性と文学 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
古の士は国に道あれば忠を尽くしてもってこれをたすけ、国に道無ければ身を退いてもってこれを避けた。こうした出処進退の見事さはいまだ判らぬと見える。詩にう。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
人ありて我にヘスペリアの好景を歌へとはゞ、我は此遊の見る所を以てこれにこたふるならん。
前途憂慮に堪えずとわれたり、十月末の光景を見て、既にこの言あり、進んで十二月に入りては、実に平地にりて想像の及ばざるものあり、かくの如き有様なるを以て
しうと微笑ほゝゑみて、とききて跪坐ついゐたるをんなかへりみてふ、おまへをしへておげと。よめ櫛卷くしまきにして端坐たんざして、すなは攻守こうしゆ奪救だつきう防殺ばうさつはふしめす。積薪せきしんならて、あめしたくわんたり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
先生の宿志しゆくし、ここにおいてか足れり。すでにしてきやうかへり、即日、ところ瑞龍山ずゐりゆうざん先塋せんえいかたはらさうし、歴任れきにん衣冠魚帯いくわんぎよたいうづめ、すなはち封し載ちし、自ら題して、梅里先生ばいりせんせいはかふ。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
イエスをわたす者かれらにしるしをなしてひけるは我が接吻くちづけする者はそれなり之をとらへよ。直にイエスに来りラビ安きかと曰て彼に接吻くちづけす。イエス彼に曰けるは、友よ何の為に来るや。
接吻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
この殭は字書に死不朽とあって死んだ後もなお朽腐せず遺存する意味で、通常彼の蚕がある菌の為に死んで白く成ったものを殭蚕とごとくこんな場合に用いられてある字である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
彼はう、リヨン州とヴォー州とには何たる大きな差異があるのだろう、ヴォー州では、最大の比率、しかもわずか二つの小さな教区にしか見られぬ最大の比率ですら、二六分の一を出でず
「モンセーニュールいけるは、地とこれにてる物はわがものなり。
「イエス彼にいけるは主たる爾の神を試むべからずとしるされたり。」
野ざらし (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
早くきて、地代だの燃料代だのを理由とする、あるはっきりしない、しかし全然不当な請求権の機先を制した方がよろしいと彼はいった。それが唯一のもので他には「わく」はないと確言した。
かみ帝室に在らず、しも人民にあらず、夫れ有司、上帝室を尊ぶとはざるに非ず、而して帝室漸く、其尊栄を失ふ、下人民を保つと云はざるには非ず、而して政令百端、朝出暮改、政刑情実に成り
再三再四問ひたるのちに、答へてふやう、わらはは今宵この山のうしろまで行かねばならずと。何用あつて行くやと問ひければ、そこにて児を殺したる事あれば、こよひは我も共に死なむと思ひてなり。
鬼心非鬼心:(実聞) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
吾人はこの最後の勝利をあくまで持続的のものたらしめ、これを永遠に確保せしめなければならぬ。これが即ち吾人の理想の実現に忠実なるゆえんである。宗教家はわずや、天国はついに来るべしと。
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
「大無量寿経」、六八ろくはちの大願、第四に
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
ちちよ、とふ。
(新字新仮名) / 太宰治(著)
ひけるは
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
彼我にふ。完き生涯とすぐるゝ徳とはひとりの淑女をさらに高き天に擧ぐ、そののりに從ひて衣を面帕かほおほひつくる者汝等の世にあり 九七—九九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
将門死して二十一年の村上天皇天徳四年に、右大将藤原朝臣が奏して云はく、近日人〻故平将門のなんの京に入ることをふと。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
なお賢人のうに、「げん近くしてむね遠きものは善言ぜんげんなり。守ること約にしてほどこすことひろきものは善道なり。君子くんしげんおびよりくだらずしてみちそんす」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
柞の字は『新撰字鏡しんせんじきょう』には「くぬぎなり」とあり「草を除くをさんい木を除くをさくと曰う」とあるけれども、訓は「ナラの木」または「シイ」である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
みだりに「文学は文学なり、宗教は宗教なり」とふことなかれ、宗教文学豈に劃して二となすべきものならんや、文学の中に宗教あり、宗教の中に文学あり。
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
老子らうし苦縣こけん厲郷らいきやう曲仁里きよくじんりひとなりせい李氏りしあざな伯陽はくやうおくりなたんふ。しう(一)守藏室しゆざうしつなり孔子こうししうき、まされい老子らうしはんとす。
城上に間燕の室を置てこれを静勝軒と名付け、東は江戸湾を望み西は富士秩父の連嶺を軒端に眺めた所から、東を泊船亭とい西を含雪斎と曰うたとのことである。
望岳都東京 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
しかるに昨年の暮におよんで、一社員はまた予をおとずれて、この新年の新刊のために何か書けとうた。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
されば予はさにふべし、見ずして信ずるものは幸也、されど見て信ずるものは更に幸也と。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
三行書みくだりがきの中奉書はの年の七夕たなばた粘墨ねばずみに固まりてれたる黒毛にかびつきたるは吉書七夕の清書の棒筆、矢筈やはず磨滅まめつされたる墨片は、師匠の褒美ほうびの清輝閣なり、彼はえり
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
すると、寝ていた人は、ようやく眼をさまし、身を起しながら、低声微吟してうらく
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されどわれ若しはゞかることなくして、人々よ、我も一々の美を見ざるにあらねど、我を動かすものは彼に在らずしてその全體の美に在り、是れ我職分なりとはゞ、人々は必ずあらは