“跪坐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きざ22.2%
ひざまず18.5%
しゃが14.8%
ツイヰ11.1%
かしこま7.4%
ついい7.4%
ついゐ7.4%
かしこまっ3.7%
ひざま3.7%
ひざまづ3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ましてや行きずりにせよ龍顔に咫尺しせきしたわけでは尚更なくつて、はるか閤門こうもんの際に跪坐きざして、そつともち上げてみた目蓋のはしに
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
博士は思わず跪坐ひざまずき、松火を地面へ落としたまま、その一双の耳飾へその眼をじっと注いだのであった。
木乃伊の耳飾 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
青い火や赤い火の流れている広告塔の前に立って、しっとりした夜の空気によみがえったとき、お島はそこに跪坐しゃがんでいる小野田を促した。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
郎女イラツメが、筆をおいて、にこやかなヱマひを、マロ跪坐ツイヰる此人々の背におとしながら、のどかに併し、音もなく、山田の廬堂を立去つた刹那、心づく者は一人もなかつたのである。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
主人の前で寝そべっている訳には行かないので、お菊はすぐによぎ跳退はねのけて蒲団の上に跪坐かしこまると、お熊はその蒲団の端へ乗りかかるように両膝を突き寄せて彼女かれの顔を覗き込んだ。
黄八丈の小袖 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
郎女が、筆をおいて、にこやかなえまいを、まろ跪坐ついいる此人々の背におとしながら、のどかに併し、音もなく、山田の廬堂を立ち去った刹那、心づく者は一人もなかったのである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
しうと微笑ほゝゑみて、とききて跪坐ついゐたるをんなかへりみてふ、おまへをしへておげと。よめ櫛卷くしまきにして端坐たんざして、すなは攻守こうしゆ奪救だつきう防殺ばうさつはふしめす。積薪せきしんならて、あめしたくわんたり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「どてらを着て跪坐かしこまってるのは、酔っ払っていながら、異状がないと得意になるようなものだ。なおおかしいよ。酔っ払いは酔払よっぱらいらしくするがいい」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
幹事の告別の言葉があり、一同の讃美歌の合唱があり、ある宣教師の声で別れの祝祷いのりがあって、菅も捨吉も物のかげに跪坐ひざまずいた頃は、やがて四時間ばかりも遊んだ後であった。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かんかん日の照る地球の一てんに跪坐ひざまづいて此の大怪物を禮拜しろ