黒裝束くろしやうぞく)” の例文
新字:黒装束
見ると、臺の上に立つたお靜は何時の間にやら、黒裝束くろしやうぞくの人間達の手で、十七乙女の若々しい肌へ、ベタベタと金箔きんぱくを置かれてゐるところだつたのです。
かたりければ夫こそ屈竟くつきやうの事なりとて兩人相談さうだんうへ同く十七年十月二十八日の夜あめは車軸を流し四邊あたり眞闇まつくらなれば是ぞ幸ひなりと兩人は黒裝束くろしやうぞくに目ばかり頭巾づきんにて島屋の店へ忍び入金箱かねばこに手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何處から飛出したか、黒裝束くろしやうぞくが七八人、三方から取圍んで、水も漏らさじと詰め寄るのです。
足に任せて小篠堤に來掛る頃は早北斗ほくと劔先けんさきするどく光りゴンとつき出す子刻こゝのつかねひゞきも身にしみいと物凄ものすごく聞えけり折柄をりからつゝみかげなる竹藪たけやぶの中よりおもてつゝみ身には黒裝束くろしやうぞくまとひし一人の曲者くせものあらはいでもの
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)