鹽氣しほけ)” の例文
新字:塩気
ふと中六なかろくとほりの南外堂なんぐわいだう菓子屋くわしやみせの、このところ砂糖氣さたうけもしめり鹽氣しほけもない、からりとして、たゞ箱道具はこだうぐみだれた天井てんじやうに、つゝみがみいと手繰たぐつて、くる/\と𢌞まはりさうに
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
アンドレイ、エヒミチはアツとつたまゝ、緑色みどりいろ大浪おほなみあたまから打被うちかぶさつたやうにかんじて、寐臺ねだいうへいてかれたやうな心地こゝちくちうちには鹽氣しほけおぼえた、大方おほかたからの出血しゆつけつであらう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)