“鹽水”の読み方と例文
新字:塩水
読み方割合
しおみず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
燐光りんこうを放つ海蛇うみへびの水槽のほかは、皆水の上に明るい電燈がついていて、海底を模した水槽は、底の小石の一つ一つまで、ハッキリと、しかし青い鹽水しおみずの層にゆがんで、眺められた。
地獄風景 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それを水で洗ったりしないで、そのままお皿にのせて、海の水ぐらいの辛さの鹽水しおみずをつくって、イカの上にぶっかけて、そのお皿を、どこか冷たい場所に、十時間ぐらいおいておくのだよ。
智恵の一太郎 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
滝津瀬たきつせの様に、頭上から降りそそぐ鹽水しおみずの痛みに、目はめしい、狂風の叫び、波濤はとうの怒号に、耳はろうし、寒さに触覚すらも殆ど失って、彼はただ機械人形の様にめくら滅法にオールを動かしていた。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)