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鰒
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あわび
ふりがな文庫
“
鰒
(
あわび
)” の例文
かつて海底に径寸の
鰒
(
あわび
)
の珠を、
獲
(
え
)
させられたという物語は伝わっているが、それはまだ考古家の眼にも触れず、またしばしばあった事とも思われない。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
なおまた海岸地方においては、塩三斗、
鰒
(
あわび
)
十八斤、かつお三十五斤、
烏賊
(
いか
)
三十斤、紫のり四十八斤、あらめ二百六十斤等をもって調とすることができる。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
加波山で猟れた鹿らしく鹿島の猟で採れた
鰒
(
あわび
)
、
新治
(
にいばり
)
の野で猟れた、
鴫
(
しぎ
)
、那珂の川でとれたという、
蜆貝
(
しじみがい
)
。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
御柱
(
みはしら
)
を低く
覗
(
のぞ
)
いて、映画か、芝居のまねきの旗の、
手拭
(
てぬぐい
)
の汚れたように、渋茶と、
藍
(
あい
)
と、あわれ
鰒
(
あわび
)
、
小松魚
(
こがつお
)
ほどの元気もなく、
棹
(
さお
)
によれよれに見えるのも、もの寂しい。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
イズシは
貽貝
(
いがい
)
の
鮓
(
すし
)
で、南部の方言ヒメガイ(『松屋筆記』百五巻)、またニタガイ(『本草啓蒙』四二)、漢名東海夫人、皆その形に因った名で、
鰒
(
あわび
)
を同様に見立つる事
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
現に日本始め南洋諸地からその種が絶えるまで採って支那へ売り込む
海参
(
なまこ
)
、
東海夫人
(
いか
)
、
鰒
(
あわび
)
は、彼らが人間第一の義務と心得た嗣子を生ましむる事受け合いてふ霊物と確信され
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
それはお前様、あの
徒
(
てあい
)
と申しますものは、……まあ、海へ出て岸をば
眗
(
みまわ
)
して
御覧
(
ごろう
)
じまし。
巌
(
いわ
)
の窪みはどこもかしこも、
賭博
(
ばくち
)
の
壺
(
つぼ
)
に、
鰒
(
あわび
)
の
蓋
(
ふた
)
。
蟹
(
かに
)
の穴でない処は、皆
意銭
(
あないち
)
のあとでござります。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
脛
(
はぎ
)
の白さ、
常夏
(
とこなつ
)
の花の影がからみ、磯風に揺れ揺れするでしゅが——年増も入れば、夏帽子も。番頭も半纏の
裙
(
すそ
)
をからげたでしゅ。
巌根
(
いわね
)
づたいに、
鰒
(
あわび
)
、鰒、
栄螺
(
さざえ
)
、栄螺。……
小鰯
(
こいわし
)
の色の綺麗さ。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“鰒(アワビ)”の解説
アワビ(鮑、鰒、蚫、en: abalone æbəˈləʊni)は、ミミガイ科の大型の巻貝の総称。雌雄の判別は外見からではほぼ不可能で、肝ではなく生殖腺の色で見分ける。生殖腺が緑のものがメス で、白っぽいものがオスである。
(出典:Wikipedia)
鰒
漢検1級
部首:⿂
20画
“鰒”を含む語句
鰒汁
鰒玉
虎鰒
小鰒
干鰒
赤目鰒
鰒好
鰒珠