“あわび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
78.0%
12.0%
8.0%
鮑貝2.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で——その湯口のそばには、江の島のあわび取りみたいに、「法斎きちがい」を商売にしている鼻ッたらしがウヨウヨ居て、湯鳴りがやむと、黒い手を出して、
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お雪さんは、歌磨の絵の海女あまのような姿で、あわび——いや小石を、そッと拾っては、鬼門をよけた雨落あまおちの下へ、積み積みしていたんですね。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
内ン中のあわびッ貝、外へ出りゃしじみッ貝、と友達にはやされて、私は悔しがってく泣いたッけが、併し全く其通りであった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そのはぎの白さ、常夏とこなつの花の影がからみ、磯風に揺れ揺れするでしゅが——年増も入れば、夏帽子も。番頭も半纏のすそをからげたでしゅ。巌根いわねづたいに、あわび、鰒、栄螺さざえ、栄螺。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
イズシは貽貝いがいすしで、南部の方言ヒメガイ(『松屋筆記』百五巻)、またニタガイ(『本草啓蒙』四二)、漢名東海夫人、皆その形に因った名で、あわびを同様に見立つる事、喜多村信節きたむらのぶよの『筠庭いんてい雑録』にも見える。
それはお前様、あのてあいと申しますものは、……まあ、海へ出て岸をばみまわして御覧ごろうじまし。いわの窪みはどこもかしこも、賭博ばくちつぼに、あわびふた
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかし奥尻はそれ以前から鼠が多いので評判の島であり、同時にあわび海鼠なまこのよく取れる島でもあった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
霧と霧と打当って大きくともえを巻くもの、霧に霧が呑み込まれるもの、霧と霧が、間の霧を引伸して掴み崩してしまうもの、しかし白濁全体としては真珠色の光を含み、私たちは巨きな鮑貝あわびの中に在るようにも感じられます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)