あわび)” の例文
ニガイ 甲府・韮崎にらさきあたりの名物として知られている煮貝は、富士川の水運を利用して入って来たものだが、まだそのあわびの生産地はどこであるか知らぬ。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
この時鍋被の女は重たそうな歩み付きできびすを返して、自分の家に入りかけた。門口の柱にはあわびの貝殻がかかっていて、それに「ささらさんばち宿やど」と書いてある。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
陽炎かげろうや川の浅みのあわびから 范孚
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
しかし奥尻はそれ以前から鼠が多いので評判の島であり、同時にあわび海鼠なまこのよく取れる島でもあった。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)