魔力まりょく)” の例文
魔力まりょくはそれをはなった持主もちぬし怒気どきをうけて、ブウーンと独楽こま心棒しんぼう生命力せいめいりょくをよみがえらし、蛾次郎がじろうの顔へうなりをあげておどってきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これが不審ふしんといえば、不審だったが、ナブ・アヘ・エリバは、それも文字の霊の媚薬びやくのごとき奸猾かんかつ魔力まりょくのせいと見做した。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
日々海をながめて暮らした。海の魔力まりょくが次第に及ぶを感じた。三等船客の中に、眼がわるいので欧洲おうしゅうまわりで渡米する一青年があって「思出おもいで」を持て居た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
砂漠さばくなかまち……あかまちのサフランのあかさけ……それは、いったい、どうした魔力まりょくをもっているのでしょうか?
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
神伝しんでん火独楽ひごまがいかにおそるべき魔力まりょくをもっているかということは、だれよりも同じ水独楽みずごま持主もちぬし蛾次郎はよく知っているので、あいつを
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、その魔力まりょくをあらわしていました。
砂漠の町とサフラン酒 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はねもどったのは、独楽こまそれ自身の魔力まりょくではなく、竹童ちくどうおびに結んであったひも弾撥だんぱつ。手もとへおどり返ってきたのは、とうぜんなのであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)