鬼神きしん)” の例文
己れ炊事をみずからするの覚悟なくばの豪壮なる壮士のはいのいかで賤業せんぎょううべなわん、私利私欲をててこそ、鬼神きしんをも服従せしむべきなりけれ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
季路、鬼神きしんつかえんことを問う。子曰く、未だ人に事うるあたわず、いずくんぞつかえん。曰く、敢えて死を問う。曰く、未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
帝都の暗黒界からは鬼神きしんのように恐れられている警視庁の大江山捜査課長は、その朝ひさかたぶりのこころよ目覚めざめをむかえた。それは昨夜ゆうべの静かな雨のせいだった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
つたふるところ怪異くわいいしよおほくは徳育とくいくのために、訓戒くんかいのために、寓意ぐういだんじて、勸懲くわんちやうとなすにぎず。けだをしへのために、鬼神きしんわづらはすものなり人意じんいいづくん鬼神きしん好惡かうをさつむや。
怪談会 序 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)