飾物かざりもの)” の例文
爐棚マントルピースの上の飾物かざりもの、ジョオヂ三世や、プリンス・オブ・ウエィルスの肖像を入れた石版刷せきばんずりの畫、ウルフ大將の臨終の摸寫などがある。
みやというものは、あれはただお賽銭さいせんあげげて、拍手かしわでって、かうべげてきさがるめに出来できている飾物かざりものではないようでございます。
進上しんじょう飾物かざりもの山をなし(上巻第四図)やがて顔見世中村座木戸前きどまえの全景(上巻第五図)より市村座劇場内(第六図)を見てすぐれば
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
あるほどの智恵嚢ちえぶくろを絞り趣向して、提灯ちょうちんと、飾物かざりものと、旗と幔幕まんまくと、人は花のちまたを練り歩くのであった。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
その道は最後に立派な廃物や、こわれた飾物かざりものそしてバラバラになった宝石の積み重ねに通じたのです。
その供養物くようものの前に沢山バタの燈明とうみょうそなえ、また道の中央で大なる篝火かがりび——バタの飾物かざりものになるべく熱気の及ばぬところに、それを焚いて誰にもよく見える様にしてある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
金銀の飾物かざりものを作る店で、店さきに一つの燈火ともしびを置き、そのの下で店の人が首飾くびかざりの銀細工をしてゐると、やがてそこへ一人の男がひどく弱つたやうな風をして近寄つて来て、哀しさうな声でつた。
赤膏薬 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)