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頸元
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えりもと
ふりがな文庫
“
頸元
(
えりもと
)” の例文
此返事
(
このへんじ
)
を
聞
(
き
)
いて、むつと
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つた。
頭巾
(
づきん
)
の
下
(
した
)
に
歯
(
は
)
を
剥出
(
むきだ
)
して、
血色
(
けつしよく
)
の
好
(
い
)
い
頸元
(
えりもと
)
に
伸
(
の
)
し
掛
(
かゝ
)
ると
向
(
むかう
)
は
後退
(
あとすざり
)
もしない。また
質
(
き
)
いて
見
(
み
)
た。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
朝早く清月に行つてみのるが一人で
臺詞
(
せりふ
)
をやつてる時などに、濡れた外套を着た酒井が
頸元
(
えりもと
)
の寒そうな風をして入つて來る事もあつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
ちらほら梅の咲きそうな裏庭へ出て、冷い
頸元
(
えりもと
)
にそばえる軽い風に吹かれていると、お島は
荐
(
しきり
)
に都の空が恋しく想出された。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
女もので袖が長い——洗ったばかりだからとは言われたが、どこかヒヤヒヤと
頸元
(
えりもと
)
から身に染む
白粉
(
おしろい
)
の、時めく
匂
(
におい
)
で。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
力
(
りき
)
と呼ばれたるは中肉の
背恰好
(
せかっこう
)
すらりつとして洗ひ髪の
大嶋田
(
おおしまだ
)
に新わらのさわやかさ、
頸元
(
えりもと
)
ばかりの白粉も
栄
(
は
)
なく見ゆる天然の色白をこれみよがしに
乳
(
ち
)
のあたりまで胸くつろげて
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
彼は
危
(
あやふ
)
きを
拯
(
すく
)
はんとする如く
犇
(
ひし
)
と宮に取着きて
匂滴
(
にほひこぼ
)
るる
頸元
(
えりもと
)
に
沸
(
に
)
ゆる涙を
濺
(
そそ
)
ぎつつ、
蘆
(
あし
)
の枯葉の風に
揉
(
もま
)
るるやうに身を
顫
(
ふるは
)
せり。宮も離れじと
抱緊
(
いだきし
)
めて
諸共
(
もろとも
)
に顫ひつつ、貫一が
臂
(
ひぢ
)
を
咬
(
か
)
みて
咽泣
(
むせびなき
)
に泣けり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
頸
漢検準1級
部首:⾴
16画
元
常用漢字
小2
部首:⼉
4画
“頸元”で始まる語句
頸元深