雲水うんすゐ)” の例文
氣樂きらくでは不可いけません。道樂だうらく出來できるものなら、二十ねんも三十ねん雲水うんすゐをしてくるしむものはありません」と宜道ぎだうつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
むかし快菴禪師くわいあんぜんじ大徳だいとこひじりおはしましけり。總角わかきより教外けうぐわいむねをあきらめたまひて、つね雲水うんすゐにまかせたまふ……
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(余芭蕉年表一名はせを年代記といふものを作せり、書肆しよしこくを乞ども考証未足ゆゑに刻をゆるさず)おきな身を世外せいぐわいおきて四方に雲水うんすゐし、江戸にあとをとゞめず。
が、元より「雪の十七番」の因縁いんねんなぞは心得てゐる筈がなかつた。だからこの蒟蒻問答こんにやくもんだふ雲水うんすゐめいた相手の顔を眺めながら、「わからないよ」と簡単な返事をした。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ひどく風采ふうさいがわるいので、どうせこの寺に厄介やくかいになつてゐる雲水うんすゐ坊主位のものだらう、と思つて
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
勤めり候ころ私し儀は堂上方に勤仕きんしの事故右願山と度々たび/\出會仕つり至つて別懇に致せし其好身にて私し儀浪人後らうにんご江戸表へ出多兵衞方の世話せわに相成候と申ければ越前守殿其願山と申者は今以て智恩院ちおんゐんに居るや但し雲水うんすゐの身分なるやととはるゝに平左衞門かれも當時は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
(余芭蕉年表一名はせを年代記といふものを作せり、書肆しよしこくを乞ども考証未足ゆゑに刻をゆるさず)おきな身を世外せいぐわいおきて四方に雲水うんすゐし、江戸にあとをとゞめず。