雄々をゝ)” の例文
この時彼我等のかたに對ひてその心をとめ、目をたゞもゝのあたりに動かし、いひけるは。いざ登りゆけ、汝は雄々をゝし。 一一二—一一四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ジエィン、あなたはしとやかで勤勉で無慾で、誠實で、うつり氣な所がなく、而も勇敢です。實にやさしくまた實に雄々をゝしいのです。
しをれし今までの容姿すがた忽ち變り、きつかたちを改め、言葉さへ雄々をゝしく、『冷泉樣には、何の要事あれば夜半よはには來給ひし』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
けだかさ、雄々をゝしさ、王者のほこり見する
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
雄々をゝしき君の手に觸れて
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
雄々をゝしきかげもなにかせむ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
かゝる雄々をゝしき恋人は
騎士と姫 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
代る/\一年交代かうたいに、彼等は私共に會ひに來、私共は彼等に會ひに行つた。ダイアナの良人をつとは海軍大佐で、雄々をゝしい士官で善良な人である。
わが前をさけて我にとゞまらせ、見よディーテを、また見よ雄々をゝしさをもて汝をかたむべきこの處をといふ 一九—二一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
はたまた、千束ちづかふみ一言ひとことも返さざりし我が無情を恨み給はん時、いかにいらへすべき、など思ひ惑ひ、恥かしさも催されて、御所ごしよ拔出ぬけいでしときの心の雄々をゝしさ、今更いまさら怪しまるゝばかりなり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
そして内氣うちきでもありませんね。あなたは、あなたの精神に或る雄々をゝしさをそなへてゐらつしやると同時に、あなたの眼にある鋭さを備へてゐらつしやる。