“間(いとま)” の例文
倹約を宗(むね)として一〇家の掟(おきて)をせしほどに、年を畳(つ)みて富み昌(さか)えけり。かつ一一軍(いくさ)を調練(たなら)す間(いとま)には、一二茶味(さみ)翫香(ぐわんかう)を娯(たのし)まず。
彼は幾(ほとん)どこの女の宮ならざるをも忘れて、その七年の憂憤を、今夜の今にして始て少頃(しばらく)も破除(はじよ)するの間(いとま)を得つ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
信(まこと)に得難かりしこの間(いとま)こそ、彼が宮を失ひし以来、唯(ただ)これに易(か)へて望みに望みたりし者ならずと為(せ)んや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
寺務(じむ)の間(いとま)ある日は七湖(うみ)に小船をうかべて、八網引(あびき)釣(つり)する泉郎(あま)に銭を与(あた)へ、獲(え)たる魚をもとの江に放ちて、其の魚の遊躍(あそ)ぶを見ては画きけるほどに、年を経(へ)て九細妙(くはしき)にいたりけり。