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鈍刀
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なまくら
ふりがな文庫
“
鈍刀
(
なまくら
)” の例文
「よしっ、買ッた。そう見くびられちゃあ、こッちも意地だ。買わずにゃおかねえ。だがよ、おい。まさか
鈍刀
(
なまくら
)
じゃアあるめえな」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鋭い爪で
茨掻
(
ばらが
)
きに引っ掻きまわしたのか、あるいは
鈍刀
(
なまくら
)
の小さい刃物で滅多やたらに突き斬ったのか、その辺はよく判らないとのことであった。
半七捕物帳:10 広重と河獺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
外のものは畳と云はず、襖と云はず、障子と云はず、
鈍刀
(
なまくら
)
で、滅多切りに切り散らして居る。群衆の中には、こんなことを云うて居るものがある。
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
ダンスに夢中になってる善男善女が
刃引
(
はびき
)
の
鈍刀
(
なまくら
)
に
脅
(
おど
)
かされて、ホテルのダンス場は一時暫らく閉鎖された。
四十年前:――新文学の曙光――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
その時、間抜けな弁公の奴、
鈍刀
(
なまくら
)
で、横っ腹を突かれたのがもとで、身動きも出来ねえことになる。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
「なまじっか勉強の旗揚げをして好い成績が取れないと藪蛇になる。君も僕も本気にならないところが値打だ。侍なら刀を抜かない。抜かないから、正宗か
鈍刀
(
なまくら
)
か分らない」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
たとえどんな
鈍刀
(
なまくら
)
にしろ引合わぬということはない。亭主の機嫌が少し直り
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
重「これは蹈めません、
鈍刀
(
なまくら
)
で、
稍
(
ようや
)
く一両二分ぐらいなものでございます」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
鈍刀
(
なまくら
)
じゃ、四本とも
悉
(
ことごと
)
く鈍刀じゃ。お返し申す」
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
高みゆく
砥石
(
といし
)
の響——
鈍刀
(
なまくら
)
の
増
(
ふ
)
えゆくすべり——
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
竹童は、
焔
(
ほのお
)
のついた
松明
(
たいまつ
)
で、蛾次郎の
鈍刀
(
なまくら
)
をたたきはらい、とっさに、
鷲
(
わし
)
をばたばたと舞いあげた。蛾次郎はそのするどい
翼
(
つばさ
)
にはたかれて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この次郎左衛門はこれまでに幾たびとなく血の雨を浴びて来た男だ。貴様たちの
鈍刀
(
なまくら
)
がなんだ、
白痴
(
こけ
)
が
秋刀魚
(
さんま
)
を振り廻すような真似をしやあがったって、びくともするんじゃあねえぞ。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「その牛刀が案外
鈍刀
(
なまくら
)
と来ていますからな。ハッハハハハ」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
文「そんな
鈍刀
(
なまくら
)
では人は斬れません」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鈍刀
(
なまくら
)
のすべるひらめき。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
なんでたまろう、二
条
(
じょう
)
の
白虹
(
はっこう
)
、パッと火花をちらしたかと思うと、燕作の
鈍刀
(
なまくら
)
がパキンと折れて、
氷
(
こおり
)
のごとき
鋩子
(
きっさき
)
の
破片
(
はへん
)
、クルッ——と
虚空
(
こくう
)
へまいあがった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただひびく
緩
(
ゆ
)
るく
鈍刀
(
なまくら
)
。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
『知れたこってす。折れる刀、曲がる刀、どんな
鈍刀
(
なまくら
)
を作ろうと、わたしはわたしだ。いちど養子に行った者を戻して、その弟の腕など借りたくはありません』
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彗星
(
すいせい
)
のように現われた彼の名声は、ただ秘伝口伝や門流の
殻
(
から
)
にかくれて、偉そうな切銘と見てくれで無事泰平な
鈍刀
(
なまくら
)
ばかり叩き馴れて来た無数の刀鍛冶たちへ
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つまらぬ
鈍刀
(
なまくら
)
ばかりをお前の家では手がけていると見えるな。そういう
研師
(
とぎし
)
の手にかけるのは心もとない。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——なぜこの刀は、研げないのでござろうか。研いでも
効
(
か
)
いのない
鈍刀
(
なまくら
)
というわけであろうか」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「親分がそれまでに目をつけるからには、いずれ
鈍刀
(
なまくら
)
じゃござンすまいね」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ウム、これは少し、
鈍刀
(
なまくら
)
だな」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鈍
常用漢字
中学
部首:⾦
12画
刀
常用漢字
小2
部首:⼑
2画
“鈍刀”で始まる語句
鈍刀揃
鈍刀番附