トップ
>
釉
>
くすり
ふりがな文庫
“
釉
(
くすり
)” の例文
近年倉敷に羽島窯が起り、よい雑器を試みます。浅口郡に
大原窯
(
おおはらがま
)
があって、
釉
(
くすり
)
のない瓦焼で、土瓶とか
焙烙
(
ほうろく
)
とか土鍋とか
蛸壺
(
たこつぼ
)
とかを作ります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
釉
(
くすり
)
の工合の妙味言ふ可からざる茶碗なり茶入なり、何によらず見処の有る骨董を、好きならば手にして楽しむ方が、暢達した料簡といふものだ。
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
紺青色の
釉
(
くすり
)
のなかに宝玉のような九曜星の美しい花紋が茶碗の肌一面に光っていた。
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
藍色
(
あいいろ
)
の、嫌に光る
釉
(
くすり
)
の掛かった陶器の円火鉢である。跡から十四五の
襷
(
たすき
)
を掛けた女の子が、誂えた
酒肴
(
さけさかな
)
を持って来た。徳利一本、
猪口
(
ちょく
)
一つに、
腥
(
なまぐさ
)
そうな
青肴
(
あおざかな
)
の切身が一皿添えてある。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
釉
(
くすり
)
のかかったピカピカ光る緑色の陶瓦に葺きなおされ、無骨な窓枠がはまっていた窓は、のこらず線の細いスチールサッシュにかわり、軒蛇腹と胴蛇腹は、褪紅色と薄桃色の染め分けで
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
この系統のもの、
釉
(
くすり
)
の流し方変化に富みいずれも卓越する。信楽の作では
絵附
(
えつけ
)
のものが少ない代りに、
流
(
なが
)
し
釉
(
ぐすり
)
の手法が著しく進んだ。色は黒のほかに、白や柿や緑も用いられた。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
骨董の
佳
(
よ
)
い物おもしろい物の方が大判やダイヤモンドよりも佳くもあり面白くもあるから、金貨や兌換券で高慢税をウンと払って、
釉
(
くすり
)
の工合の妙味言うべからざる茶碗なり
茶入
(
ちゃいれ
)
なり
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
釉
(
くすり
)
において、色において、模様において、皆沖縄のものであることを語ります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
しかし、ただないのではなく、
釉
(
くすり
)
むらや、
轆轤
(
ろくろ
)
や、地肌に
溢
(
あふ
)
れる文があった。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そうして同じ模様を描き、同じ
釉
(
くすり
)
掛けを繰返している。美が何であるか、窯藝とは何か。どうして彼にそんなことを知る
智慧
(
ちえ
)
があろう。だが凡てを知らずとも、彼の手は速やかに動いている。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
特に今出来るもので美しいのは「
飯鉢
(
はんばち
)
」と呼んでいるもので、
素地
(
きじ
)
の上に白土をかけ、これに緑と飴色との
釉
(
くすり
)
を垂らします。色が冴えて
上
(
あが
)
ると、まるで支那の有名な「
唐三彩
(
とうさんさい
)
」を想わせます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
信徒が名号を口ぐせに何度も唱へるやうに、彼は何度も何度も同じ轆轤の上で同じ形を廻してゐるのだ。さうして同じ模様を描き、同じ
釉
(
くすり
)
掛けを繰返してゐる。美が何であるか、窯芸とは何か。
雑器の美
(新字旧仮名)
/
柳宗悦
(著)
“釉”の意味
《名詞》
(うわぐすり)素焼きの土器にかけ、焼成するとガラス質になり、陶器や磁器を完成させる素材。
(出典:Wiktionary)
“釉(
釉薬
)”の解説
釉薬(ゆうやく、うわぐすり、釉、上薬、en: glaze)は、陶磁器や琺瑯の表面をおおっているガラス質の部分である。陶磁器などを製作する際、粘土などを成形した器の表面に薬品をかけて生成する。粘土や灰などを水に懸濁させた液体が用いられる。
(出典:Wikipedia)
釉
漢検1級
部首:⾤
12画
“釉”を含む語句
釉薬
釉掛
白釉
緑釉
釉色
流釉
鉄釉
失透釉
黒釉
無釉
飴釉
釉剥
黒釉薬
黄釉
鉛釉
釉藥
釉瓦
上釉
茶釉
紅釉薬
...