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邸中
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やしきぢう
山家あたりに
住むものが、
邸中、
座敷まで
大な
茸が
幾つともなく
出て
祟るのに
困じて、
大峰葛城を
渡つた
知音の
山伏を
頼んで
來ると
其の
年押詰つて
師走の
幾日かは、
當邸の
御前、
服部式部どの
誕生日で、
邸中とり/″\
其の
支度に
急がしく、
何となく
祭が
近づいたやうにさゞめき
立つ。
其の
年寛政十
年、
押詰つて
師走の
幾日かは
當邸の
御前服部式部どの
誕生日とあつて、
邸中が、とり/″\
其の
支度に
急がしく
何となく
祭が
近いたやうにさゞめき
立つ。