輪切わぎ)” の例文
たちまち中から輪切わぎりになったパイナップルや、おつゆがとびだしてきて、宙をにげまわるなどと、いうこともあって、なかなかてこずる。
宇宙の迷子 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かやしぶわびし。子供こどものふだんには、大抵たいてい柑子かうじなり。蜜柑みかんたつとし。輪切わぎりにしてはちものの料理れうりにつけはせる。淺草海苔あさくさのりを一まいづゝる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
貰つた蝋燭は、大根だいこ輪切わぎりにしてあるのを臺にして、それへ一本宛さして、みんな自分の前へ一つ宛置いてるのよ。
梅龍の話 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
わらんだむしろいてある爐邊ろばたで、數衛かずゑのこしらへてれた味噌汁おみおつけはお茄子なすかはもむかずにれてありました。たゞそれが輪切わぎりにしてありました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)