身心しんしん)” の例文
能々よく/\うんかなひし事かなされど二日二夜海上にたゞよひし事なれば身心しんしんつか流石さすがの吉兵衞岩の上にたふふし歎息たんそくの外は無りしが衣類いるゐは殘らずしほぬれ惣身そうしんよりはしづくしたゝり未だ初春しよしゆんの事なれば餘寒よかんは五體に染渡しみわたはりにてさゝれる如くなるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
以て百ばかつゞけ打に打せければあはれむべし傳吉は身のかはやぶにくさけて血は流れて身心しんしん惱亂なうらんし終に悶絶もんぜつしたるゆゑ今日のせめは是迄にて入牢じゆらうとなり之より日々にせめられけるが數度の拷問がうもんに肉落て最早こしも立ずわづかに息のかよふのみにて今は命のをはらんとなす有樣なり爰に於て傳吉思ふやうかゝ無體むたいの拷問はひとへに上臺憑司が役人とはら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)