走獣そうじゅう)” の例文
旧字:走獸
元より怪鳥けちょう走獣そうじゅうの声ばかりな深山なので、そこに住む遊女といってはみな年老いたのが多く、旅人たちはそれを「山姥やまうば」などとんでいた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
銃猟じゅうりょう道楽は天下に多し。走獣そうじゅう飛禽ひきん捕獲ほかくするの術は日に新しきを加うれどもその獲物えものの料理法を頓着とんじゃくするものははなはまれなり。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
故に下等士族は、その下等中の黜陟ちゅっちょくに心を関して昇進をもとむれども、上等に入るの念は、もとよりこれを断絶して、そのおもむき走獣そうじゅうあえて飛鳥ひちょうの便利を企望きぼうせざる者のごとし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一同は火薬を倹約けんやくするために、山田先生の遺物いぶつたる飛びだまを、おもに用うることにした、飛び弾というのは、一すじのなわに二つの石をしばりつけ、これを走獣そうじゅうに投げつけて
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
拝見の博士はかせの手前——まで射損いそんじて、殿、怫然ふつぜんとしたところを、(やあ、飛鳥ひちょう走獣そうじゅうこそ遊ばされい。かか死的しにまと、殿には弓矢の御恥辱おんちじょく。)と呼ばはつて、ばら/\と、散る返咲かえりざきの桜とともに
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)