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ふりがな文庫
“
賭事
(
かけごと
)” の例文
しかも向うからもちかけても来なかった娘を、突然妻に選ぼうとは、まったく
賭事
(
かけごと
)
みたいな
沙汰
(
さた
)
らしく見えるのであった。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「僕は君と交りを絶つ前に一言云っておく。生死を背景にした
賭事
(
かけごと
)
は云わないようにし給え。これが僕の最後の忠告だ。」
二つの途
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
賭事
(
かけごと
)
ではむろん由夫がうわ手である。今日も、彼は、竜一をうまくおだてて、蝗の首取り競争を始めたところなのである。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
若殿と二人で夜おそくまで、宿の女中にたわむれて
賭事
(
かけごと
)
やら
狐拳
(
きつねけん
)
やら
双六
(
すごろく
)
やら、いやらしく忍び笑いして打興じて、式部は
流石
(
さすが
)
に見るに見兼ね
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「
賭事
(
かけごと
)
の好きなものは、金を持つちや居られないものらしい。船頭の爲五郎もそれに誘はれて遣ひ始めたことだらう、それから、新内の太夫は?」
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
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この他にも
賭事
(
かけごと
)
や勝負に関する記事のあるところを見ると著者自身かなりの体験があったことが想像されて面白い。
徒然草の鑑賞
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
それまでは、幸と不幸との
賭事
(
かけごと
)
の中で局外者のように平気でいる。彼らはその間に置かれた賭金でありながら、
不関焉
(
かんせずえん
)
として両方をぼんやりながめている。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ジョンは滅茶苦茶に
賭事
(
かけごと
)
をして何時もとられてばかり——可哀相な子! あの子は
詐欺師
(
ぺてんし
)
に取圍れてゐるのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
集まりというのは、何かの
賭事
(
かけごと
)
を意味しているこの一連の、どうらく者の集まりに相違ない。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして、だが来るか、来まいか、などとつい今朝も、
賭事
(
かけごと
)
のように噂していたものだった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
酒も呑まず
賭事
(
かけごと
)
にも手を出さず、十二三歳の時から、馬で
赤城
(
あかぎ
)
へ
薪
(
たきぎ
)
を採りに行ったりして、馬を
手懐
(
てなず
)
けつけていたので、馬に不思議な愛着があり、競馬馬も飼い、競馬場にも顔がきいていた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
晴さんとて其夜は其儘我が家に歸りしが其後
明暮
(
あけくれ
)
心懸てぞ居たりける然るに同宿に三五郎と云者あり此三五郎は
侠氣
(
をとこぎ
)
ある者にて
生得
(
しやうとく
)
博奕
(
ばくち
)
を好み平生
賭事
(
かけごと
)
のみを業としけるが或時
博奕場
(
ばくちば
)
より
戻
(
もど
)
り食事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
大胆な
賭事
(
かけごと
)
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「吉三郎なら知つてゐる。
賭事
(
かけごと
)
もしない樣子だが、妙に金廻りのいゝ野郎だ、——その吉三郎と何處で知合になつた」
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「正季。じつは一戦の所存をきめたぞ。あぶない
賭事
(
かけごと
)
を、われから仕かけるには似るがの」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その心情が痛ましくなり、小僧を二人もつかっていた相当の靴屋を、競馬道楽や
賭事
(
かけごと
)
で
摺
(
す
)
った果てに、自転車を電車にぶっつけ、
頭脳
(
あたま
)
に
怪我
(
けが
)
をしたりして、当分仕事もできなくなってしまった
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
運命と
賭事
(
かけごと
)
をし、娘らをその賭物としてること。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
調べているよ。御家人のくせに
賭事
(
かけごと
)
に
凝
(
こ
)
って首も廻らぬ借金だ。一時は御家人の株まで売ろうとしたが、二三日前から急に金が出来て、ポツポツ借金を返し始めた
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
むだとは思うが、念のため
幻術
(
めくらまし
)
の囲いへ行って訊いてみなさるがよい。あそこではよく、ガチャ蠅が集まって、銭の
賭事
(
かけごと
)
をしておりますで、そういう金をつかめば、ことによると、
賭場
(
あそびば
)
へ顔を
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「とんでもない、親分さん。——以前は楊弓に凝ったこともありますが、近頃は
賭事
(
かけごと
)
と名のつくものは、子供の玉ころがしも振り向いて見ないようにしております」
銭形平次捕物控:052 二服の薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「御主人が封印を遊ばして、いざ私の封印といふ時、
中間
(
ちうげん
)
部屋で大喧嘩が始まつた、——
賭事
(
かけごと
)
の爭ひらしかつたが、私が行つて止めると、顏を見ただけでピタリと納まつた」
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
俺はもう、中坂の藤井重之進の
内向
(
うちむき
)
のことを調べてゐるよ。御家人の
癖
(
くせ
)
に
賭事
(
かけごと
)
に
凝
(
こ
)
つて首も廻らぬ借金だ。一時は御家人の株まで賣らうとしたが、二三日前から急に金が出來て、ポツポツ借金を
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“賭事”の意味
《名詞》
金品を賭けて行う勝負事。
(出典:Wiktionary)
賭
常用漢字
中学
部首:⾙
16画
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
“賭事”で始まる語句
賭事好