諸葛亮しょかつりょう)” の例文
四輪の車は鳴りはしってくる。車上、白衣簪冠さんかんの人影こそ、まぎれなき諸葛亮しょかつりょう孔明にちがいなかった。夜目にも遠目にも鮮やかである。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けだし道衍の秉忠に於けるは、岳飛がくひ関張かんちょうひとしからんとし、諸葛亮しょかつりょうが管楽に擬したるが如く、思慕してしこうして倣模ほうもせるところありしなるべし。詩に曰く
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彗星見えて董卓とうたくの乱ありといい、『晋陽秋しんようしゅう』の書に、諸葛亮しょかつりょうの卒時、赤き彗星ありという。
妖怪学一斑 (新字新仮名) / 井上円了(著)
ああなんという見事さ、それこそ、本朝ほんちょう諸葛亮しょかつりょう孫呉そんごかといわれた甲州流の軍学家ぐんがくか小幡景憲こばたかげのり軍配ぐんばいぶりとそッくりそのまま。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諸葛亮しょかつりょうの九十時に赤き彗星ありしは、その死去を告ぐるものとなせり」わが朝にありては、欽明きんめい天皇のとき、仏を入れたるために疫病流行せり、敏達びだつ天皇のときも同断なり。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
「水鏡先生の門人徐元直じょげんちょく。貴公とは、司馬徽しばきが門で、石韜せきとう崔州平さいしゅうへい諸葛亮しょかつりょうなどのともがらと、むかし度々お目にかかっている筈——」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いやいや、何も諸葛亮しょかつりょうを害さんためではない。周都督のお旨をうけ、いささか亮先生に告ぐる儀あり。しばらく待ち給えというに、なぜ待たぬか」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長兄は諸葛瑾しょかつきんと申し、呉に仕えて孫権の幕賓ばくひんたり。二番目の兄が、諸葛亮しょかつりょう、すなわち孔明で——私は臥龍の次にあたる三番目の弟、諸葛均しょかつきんでございます
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蜀の諸葛亮しょかつりょう孔明と、魏の司馬懿しばい仲達とが、堂々と正面切って対峙たいじするの壮観を展開したのは、実にこの建興七年四月の、祁山きざん夏の陣をもって最初とする。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家のあるところ、一つの岡をなしているので里人これを臥龍岡がりゅうこうとよび、またその人をさして臥龍先生とも称しています。——すなわち、諸葛亮しょかつりょうあざな孔明こうめい
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、夜来頻々ひんぴん、急を告げるほうはきているが、いかんせん、呉へ参っている軍師諸葛亮しょかつりょうの帰らぬうちは……」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あなたはどう考えているのですか。あなたの弟諸葛亮しょかつりょうは、玄徳のむねをうけて、呉との軍事同盟をはかり、共に曹操に当らんという使命をもって来ておる由だが」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先頭の兵馬が急に騒ぎだしたので、何事かと見ると、一山の松林の中に、「漢の丞相諸葛亮しょかつりょう」としるした大旗がひるがえり、霧か軍馬か濛々もうもうたるものが山上からなだれて来る。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われはこれ南陽の諸葛亮しょかつりょう孔明である。聞きも及ばずや、さきに曹操が百万の軍勢も、この孔明が少しばかりの計を用うるや、たちまち生きて帰る者はひとりもない有様であった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「自分は諸葛亮しょかつりょうしゅうと黄承彦こうしょうげんの友で、久しくこの先の山に住んでいる者なり」という。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おのれ。その儀なれば、くがへ戻って、もう一戦せん。諸葛亮しょかつりょう、そこをうごくな」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのうちでも代表的な孔明流の兵書と称する「諸葛亮しょかつりょう五法五巻」などは日本にも伝わって、後のわが楠流くすのきりゅう軍学や甲州流そのほかの兵学書などと同列しているが、もとより信じられるものではない。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(これなん、諸葛亮しょかつりょうその人であろう)
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)