詰所つめしよ)” の例文
跡部は荻野等を呼んで、二にんとらへることを命じた。その手筈てはずはかうである。奉行所に詰めるものは、づ刀をだつして詰所つめしよ刀架かたなかけける。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
これの時のおかゝりの方々かた/″\のお詰所つめしよと見えまして、此所こゝ御拝ぎよはいがあるといふことをうけたまはりました。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それから堤燈ちやうちん蝋燭らふそくをともして、夜警やけい詰所つめしよへ出かけるのです。以上。
此中このうちで酒井大和守忠嗣やまとのかみたゞつぐ預替あづけがへになつてゐた平山は、番人の便所に立つた留守に詰所つめしよの棚の刀箱かたなばこから脇差を取り出して自殺した。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
子供達は引き返して、門番の詰所つめしよへ來た。それと同時に玄關脇から、「なんだ、なんだ」と云つて、二三人の詰衆つめしゆうが出て來て、子供達を取り卷いた。
最後の一句 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
ひつじさるひらいてゐる城の大手おほては土井の持口もちくちである。詰所つめしよは門内の北にある。門前にはさくひ、竹束たけたばを立て、土俵を築き上げて、大筒おほづゝ二門をゑ、別に予備筒よびづゝ二門が置いてある。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)