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けんぶつ
ふりがな文庫
“
観客
(
けんぶつ
)” の例文
支那人の
観客
(
けんぶつ
)
は滅多に観覧席の椅子を買はない。椅子は大抵一
弗
(
ドル
)
半の
定
(
き
)
めださうだから、支那人にとつてもそんな勿体ない事は出来ない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
土間一杯の
観客
(
けんぶつ
)
も、恐らく左馬之助と同じ心持でしょう、怪奇な蛇の芸が進むにつれて、最早
咳
(
しわぶき
)
一つする者も無かったのです。
新奇談クラブ:08 第八夜 蛇使いの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それは不思議だ。あんなに高い所から……あの危険な芸をやっていながら……きみは
観客
(
けんぶつ
)
の顔を見わける余裕があるかね」
或る精神異常者
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
自分が物珍らしそうにこの様子を見ているうちに、
観客
(
けんぶつ
)
は一人二人と絶えず集まって来た。その中には自分がある音楽会で顔だけ覚えたNという侯爵もいた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
分かるも、分からぬも、
観客
(
けんぶつ
)
は口あんごりと心も
空
(
そら
)
に見とれて居る。
平作
(
へいさく
)
は好かった。隣に座って居る彼が
組頭
(
くみがしら
)
の
恵比寿顔
(
えびすがお
)
した爺さんが眼を
霑
(
うる
)
まして見て居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
観客
(
けんぶつ
)
の眼には何も見えないのだが、唯ならぬ舞台の様子におどろかされて、これも一緒に騒ぎ出した。その騒動があたりにきこえて、県署から役人が出張して取調べると、右の一件だ。
女侠伝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
恐ろしく肥つた、
体重
(
めかた
)
が四十貫の上もあらうといふ大男で、こんな図体で、罪のない物真似をするのが
可笑
(
をかし
)
いといつて
観客
(
けんぶつ
)
に大持てである。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
だが彼は帰りぎわに、大勢の
観客
(
けんぶつ
)
といっしょに小舎を出ながら考えた。「こんな感激は、二三度はいいが、結局芝居や見世物と同じようにあきがくるだろう」
或る精神異常者
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
水槽の前には、青竹を
繞
(
めぐ
)
らして、後ろへ次第に高くなった、急造の
客席
(
スタンド
)
の上には、
観客
(
けんぶつ
)
がかれこれ二三百人。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
芝居の
中
(
なか
)
では、
嫂
(
あによめ
)
も
縫
(
ぬひ
)
子も非常に熱心な
観客
(
けんぶつ
)
であつた。代助は二返
目
(
め
)
の
所為
(
せゐ
)
といひ、此
三四日来
(
さんよつからい
)
の脳の状態からと云ひ、
左様
(
さう
)
一図に舞台ばかりに気を
取
(
と
)
られてゐる
訳
(
わけ
)
にも
行
(
い
)
かなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
芝居で見ると、幡随院長兵衛と権八の出合いになって『江戸で噂の花川戸』なんて云うから、
観客
(
けんぶつ
)
も嬉しがって喝采するんですが、ほんとうの鈴ヶ森は決して嬉しい所じゃありませんでした。
半七捕物帳:52 妖狐伝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
観客
(
けんぶつ
)
は鋭い期待をもって、例のごとくざわざわと動いたりしゃべったりしていた。
或る精神異常者
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
芝居の中では、嫂も縫子も非常に熱心な
観客
(
けんぶつ
)
であった。代助は二返目の
所為
(
せい
)
といい、この三四日来の脳の状態からと云い、そう一図に舞台ばかりに気を取られている訳にも行かなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
支那にある活動小屋の
優
(
まし
)
なのは、大抵米国人の経営で、そんなのを数へ立ててみると、
彼是
(
かれこれ
)
八十余りもあるが、それが揃ひも揃つて
観客
(
けんぶつ
)
の一万五千をも
容
(
い
)
れる事が出来ると聞いては一寸驚かれる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それに自分は今度の
劇
(
しばゐ
)
では作者であり、伊藤公は
普通
(
たゞ
)
の
観客
(
けんぶつ
)
に過ぎない。作者が
観客
(
けんぶつ
)
に座を譲るやうな気弱い事では作者
冥加
(
みやうが
)
に尽きるかも知れないからと、その
儘
(
まゝ
)
素知
(
そし
)
らぬ顔で
凝
(
じつ
)
と尻を
落
(
おち
)
つけてゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“観客”の意味
《名詞》
観 客(かんきゃく)
演劇やスポーツなどを見物をする人のこと。
(出典:Wiktionary)
“観客”の解説
観客(かんきゃく)、オーディエンス(英語:audience)は、興行などを見る人、見物人のこと。
(出典:Wikipedia)
観
常用漢字
小4
部首:⾒
18画
客
常用漢字
小3
部首:⼧
9画
“観客”で始まる語句
観客諸君