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蟾蜍
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ひきがえる
ふりがな文庫
“
蟾蜍
(
ひきがえる
)” の例文
それには
蜻蛉
(
とんぼ
)
や、
螇蚸
(
ばった
)
や、蝉や、
蝸牛
(
かたつむり
)
や、蛙や、
蟾蜍
(
ひきがえる
)
や、鳥や、その他の絵が何百となく、本物そっくりに、而も簡明にかかれてあった。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
しかるにそのタニグクまたはタニククを、時に或いは「谷蟆」または「谷潜」などと書いたが為に、一般にこれは
蟾蜍
(
ひきがえる
)
の事であると解している。
くぐつ名義考:古代社会組織の研究
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
肉体!ああそれも私に遠く、過去の追憶にならうとしてゐる。私は老い、肉慾することの熱を無くした。墓と、石と、
蟾蜍
(
ひきがえる
)
とが、地下で私を待つてるのだ。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
岩崩れがして凄じくのり出した崕の下をソッと通り抜けて明るみに出る、這いつくばった
蟾蜍
(
ひきがえる
)
のような岩が二つ三つ重り合って、狭い谷の口を遮っている。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
蟾蜍
(
ひきがえる
)
の頭に魔法と医療上神効ありてふ
蟾蜍石
(
ブフォニット
)
ありなど(一七七六年版ペンナント『
英国動物学
(
ブリチシュ・ゾオロジー
)
』三巻五頁)
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
蟾蜍
(
ひきがえる
)
に向って、美とは何ぞやと尋ねて見よ。蟾蜍は答えるに違いない。美とは、小さい頭から
突出
(
つきで
)
た大きな二つの
団栗眼
(
どんぐりまなこ
)
と、広い平べったい口と、黄色い腹と褐色の背中とを
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
この竹藪には
蟾蜍
(
ひきがえる
)
のいた事これまた気味悪いほどで、夏の
夕
(
ゆうべ
)
まだ夜にならない中から、何十匹となく
這
(
は
)
い出して来る蟾蜍に庭先は一面
大
(
おおき
)
な
転太石
(
ごろたいし
)
でも敷詰めたような有様になる。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
君、なるほど火の芸術は
厄介
(
やっかい
)
だ。しかしここに道はある。どうです、鵞鳥だからむずかしいので。
蟾蜍
(
ひきがえる
)
と改題してはどんなものでしょう。
昔
(
むかし
)
から蟾蜍の鋳物は古い
水滴
(
すいてき
)
などにもある。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
博士はドンと
尻餅
(
しりもち
)
をついて、
蟾蜍
(
ひきがえる
)
のように
膨
(
ふく
)
れた。
見えざる敵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
蟾蜍
(
ひきがえる
)
は廻って通る。
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
蛇や
蟾蜍
(
ひきがえる
)
が、鶏卵を伏せ
孵
(
かえ
)
して生ずる所で、眼に大毒あり能く他の生物を
睨
(
にら
)
み殺す、古人これを猟った唯一の法は、毎人鏡を手にして向えば、彼の眼力鏡に映りて、その身を返り
射
(
い
)
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
泥濘
(
ぬかるみ
)
の干潟をピョンピョン飛び廻っている生物がいた。最初私はそれを小さな
蟾蜍
(
ひきがえる
)
か蛙だろうと思ったが、やっとのことで一匹つかまえて見ると、胸鰭が著しく発達した小魚である。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
さうして
僅
(
わず
)
かばかりの物質——人骨や、歯や、
瓦
(
かわら
)
や——が、
蟾蜍
(
ひきがえる
)
と一緒に
同棲
(
どうせい
)
して居る。そこには何もない。何物の生命も、意識も、名誉も。またその名誉について感じ得るであらう存在もない。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
ことに九州の或る地方には
蟾蜍
(
ひきがえる
)
をドンク或いはドックウ・トンクワウなどというので、これただちにタニグクの古語の遺れるものだと合点して、蟾蜍すなわちタニグクだと極めてしまうのである。
くぐつ名義考:古代社会組織の研究
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
いわゆる蛇は寸にしてその気ありだ。
蟾蜍
(
ひきがえる
)
など蛙類に進退
究
(
きわ
)
まる時頭を以て敵を押し退けんとする性あり。コープ博士だったかかくてこの輩の頭に追々角が
生
(
は
)
える筈といったと覚える。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
聞く所によると、東京のある場所では、
菓子
(
かし
)
を
蟾蜍
(
ひきがえる
)
、虫、蜘蛛等のいやらしい物の形につくっているそうである。それは実に完全に出来ていて、ひるまずに食った人が勝負に勝つのだという。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
梟は蛇や
蟾蜍
(
ひきがえる
)
など持ち来り予の前へさらけ出し誠に迷惑な事度々だった。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
蟾
漢検1級
部首:⾍
19画
蜍
漢検1級
部首:⾍
13画
“蟾蜍”で始まる語句
蟾蜍石