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蝋色鞘
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ろいろざや
ふりがな文庫
“
蝋色鞘
(
ろいろざや
)” の例文
さっそうとして、
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
をにぎりとると、飛ばしに飛ばせて
早駕籠
(
はやかご
)
を乗りつけたところは、いうまでもなく駒形河岸の二三春の住まいでした。
右門捕物帖:23 幽霊水
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
処へ参ったのは業平文治で、
姿
(
なり
)
は
黒出
(
くろで
)
の
黄八丈
(
きはちじょう
)
にお
納戸献上
(
なんどけんじょう
)
の帯をしめ
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
の
脇差
(
わきざし
)
をさし、
晒
(
さらし
)
の手拭を持って、ガラリッと障子を開けますと
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
相手にする値うちもないように、浪人の男は、珊瑚を
袱紗
(
ふくさ
)
にくるむ、
前差
(
まえざし
)
をギッとたばさむ、長い
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を左にさげる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
をずっしりと落として差してゆうゆうとふところ手をしながら乗り込んでいったは、いわずと知れた金八屋敷です。
右門捕物帖:19 袈裟切り太夫
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
と見ると文治郎水色に
御定紋染
(
ごじょうもんぞめ
)
の
帷子
(
かたびら
)
、献上博多の帯をしめ、
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
の脇差、其の頃
流行
(
はや
)
った
柾
(
まさ
)
の下駄、
晒
(
さらし
)
の手拭を持って、腰には
金革
(
きんかわ
)
の胴乱を
提
(
さ
)
げ
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
取りだしたのは
藁苞
(
わらづと
)
である、グイとしごいて、苞からむきだされたのは、
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
の
滑
(
なめ
)
らかな大小。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぎろり目を光らしながら、音もなく
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を腰にさして、静かにはかまのちりを払っていたとみえたが、すっくと立つや、同時に鋭い声がかかりました。
右門捕物帖:07 村正騒動
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
紺足袋に
雪駄穿
(
せったば
)
き
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
の茶柄の大小を
落差
(
おとしざ
)
しにしてチャラリチャラリとやって参りました、此の武家にお筆が頼み入る処、是が又一つの災難に相成るのお話。
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
日本左衛門は廻廊の端まで出て、
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
の大刀を板縁に突いて手を置きながら
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を長目にずいと落として差して、黙々さっそうとしながら出ていった方角がまたじつに右門流なのです。
右門捕物帖:26 七七の橙
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
と
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
茶柄
(
ちゃつか
)
の刀を右の手に下げた
儘
(
まゝ
)
に、亭主に構わずずっと通り
上座
(
かみざ
)
に座す。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
頭
(
かしら
)
は
切下
(
きりさ
)
げ、無紋の
黒着
(
くろぎ
)
、腰から二本の
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
がヌッとうしろへ立っている。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しゅッしゅッと一本
独鈷
(
どっこ
)
をしごき直して、ずっしりと
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を握りしめると、静かに問いなじりました。
右門捕物帖:25 卒塔婆を祭った米びつ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
右門は腰をひねって手だれの
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
をさッと抜いて放つや、そこにはいりきたろうとした陽吉の足もとめがけて、まずきらりとそれなる抜き身をさしつけました。
右門捕物帖:11 身代わり花嫁
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ゆうゆうとして
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を腰にすると、ぱんぱんひざがしらをはたきながら、おちついて帰りじたくを始めましたものでしたから、どこにどう犯人のめぼしがついたものか
右門捕物帖:11 身代わり花嫁
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
すうと立ち上がると、
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を落として、差して、早い、早い。声もないが、足も早いのです。
右門捕物帖:28 お蘭しごきの秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
さながら白昼のもとに見るかのごとくぴたりと言い当てましたものでしたから、したたかに肝を冷やして、むくり起き上がりざま、握るともなく
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を握りしめていると
右門捕物帖:14 曲芸三人娘
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
黙々として丹念に一枚一枚葉を洗ってしまってから、ゆうゆうと食事をしたため、ゆうゆうと
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を腰にすると、不意にずばりとあいきょう者をおどろかせていいました。
右門捕物帖:24 のろいのわら人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
例の苦み走った折り紙つきの男まえに、それも前夜
月代
(
さかやき
)
をあたらしたばかりなんだから、いっそう水々しくさえまさってみえる男まえに、おなじみの
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
をおとし差しで
右門捕物帖:13 足のある幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
命じておくと、ひと足先に伝六を駕籠で送り出しておきながら、右門は
結城袷
(
ゆうきあわせ
)
の渋好みづくりに、細身の
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
をおとし差しにして、ゆうぜんと本石町へやって参りました。
右門捕物帖:13 足のある幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
いうまに茶献上をしゅッしゅッとしごきながら、
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を意気差しに、はればれとして立ち上がったものでしたから、伝六のことごとく悦に入ったのはいうまでもないことでした。
右門捕物帖:19 袈裟切り太夫
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
どてらを
小格子双子
(
こごうしふたご
)
の渋い
素袷
(
すあわせ
)
に召し替えて、きゅっきゅっとてぎわよく一本どっこをしごきながら、例の
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を音もなく腰にしたので、伝六はすっかり額をたたいてしまいました。
右門捕物帖:02 生首の進物
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ここに
捕物
(
とりもの
)
を重ねること第九回、いまぞはじめて腰の一刀にものをもいわせようというかのように、
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
細身のわざものにしめりをくれておくと、さっそうとして立ち上がりました。
右門捕物帖:09 達磨を好く遊女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
いいつつ、
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を腰にしたとき——、表であわただしくいう声がありました。
右門捕物帖:16 七化け役者
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
慧眼
(
けいがん
)
すでになにものかの見通しでもがついたもののごとく、一本
独鈷
(
どっこ
)
に
越後
(
えちご
)
上布で、例の
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を長めにしゅっと落として腰にしながら、におやかな
美貌
(
びぼう
)
をたなばた風になぶらせなぶらせ
右門捕物帖:17 へび使い小町
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
お公卿さまにてつだわさせた名人は、南部つむぎに
浜絽
(
はまろ
)
の巻き羽織、
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
は落としざしで、素足に
雪駄
(
せった
)
の男まえは、いつもながらどうしかられても一苦労してみたくなるりりしさでした。
右門捕物帖:16 七化け役者
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
こらえきれぬ
笑
(
え
)
みがこみあげてきたものか、朱を引いたようなその美しいくちびるに、ほのぼのと微笑をのせていましたが、例の
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を音もなく腰にすると、すぐさま立ち向かったところは
右門捕物帖:12 毒色のくちびる
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ずっしりとあの
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を落とし差しにしながら、すぐにも立ち上がるだろうと思われたのに、だが、名人は事の子細を聞き終わると、何を考えたものか、フフン、——というように微笑しながら
右門捕物帖:21 妻恋坂の怪
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
の細いやつを長めに腰へ落として、ひと苦労してみたくなるような江戸まえの男ぶりはすっぽりずきんに包みながら、素足にいきな
雪駄
(
せった
)
を鳴らし、まがうかたなく道を柳原の方角へとったので
右門捕物帖:01 南蛮幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ぎらりと
鞘
(
さや
)
ばしらせたものは、あの
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
の細身なる一刀でした。
右門捕物帖:15 京人形大尽
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
をがっきと腰にして、ののしるごとくに言い放ちました。
右門捕物帖:12 毒色のくちびる
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
みずからの腰の細身の
蝋色鞘
(
ろいろざや
)
を抜いて渡して
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
蝋
漢検準1級
部首:⾍
14画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
鞘
漢検準1級
部首:⾰
16画
“蝋色”で始まる語句
蝋色
蝋色塗
蝋色柄
蝋色漆