“前差”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まえざし90.0%
まえさ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「くそッ——」とばかり、十手をこうに飛びかかッてゆくと、周馬はまたも五、六歩逃げて、キラリと前差まえざし小太刀こだちを抜いた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相手にする値うちもないように、浪人の男は、珊瑚を袱紗ふくさにくるむ、前差まえざしをギッとたばさむ、長い蝋色鞘ろいろざやを左にさげる。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この暑いのに振袖で、帯を猫じゃらしに結び、唐人髷とうじんまげきん前差まえさしをピラピラさせたお美夜ちゃん、かあいい顔を真っ赤にさせて、いっぱいの汗だ。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)