蚊遣香かやりかう)” の例文
火入ひいれにべた、一せんがおさだまりの、あの、萌黄色もえぎいろ蚊遣香かやりかうほそけむりは、脈々みやく/\として、そして、そらくもとは反對はんたいはうなびく。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
赤蜻蛉あかとんぼう田圃たんぼみだるれば横堀よこぼりうづらなくころちかづきぬ、朝夕あさゆふ秋風あきかぜにしみわたりて上清じやうせいみせ蚊遣香かやりかう懷爐灰くわいろばいをゆづり、石橋いしばし田村たむらやが粉挽こなひうすおとさびしく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
蚊遣香かやりかうは、小刻こきざみつてうねつて、せつせといぶる。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)