茅場町かやばちやう)” の例文
餘事よじだけれど、大火たいくわに——茅場町かやばちやう髮結床かみゆひどこ平五郎へいごらう床屋とこやがあつて、ひとみなかれを(床平とこへい)とんだ。——これけた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またいお医者いしや出会であふことも有らうから、夫婦で茅場町かやばちやう薬師やくしさまへ信心しん/″\をして、三七、二十一にち断食だんじきをして、夜中参よなかまゐりをしたらからう。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
所持しよぢせし事故を糺されしに申口不分明ふぶんめい故町奉行所へ送りになり入牢申付られたり因て女房は大いにおどろき己病中なれども夫の罪のかるく濟やうにとて茅場町かやばちやう藥師やくし朝參あさまゐりを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
茅場町かやばちやう植木店うゑきだなさ。お前さんも江戸かい。」
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
うかしてうすくとも見えるやうにしてげたいと思つて、茅場町かやばちやう薬師やくしさまへ願掛ぐわんがけをして、わたし手探てさぐりでも御飯ごぜんぐらゐはけますから、わたしつぶしても梅喜ばいきさんのけてくださるやう
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)