“若(わこ)” の例文
その頃(ころ)良人(おっと)はまだ若(わこ)うございました。たしか二十五歳(さい)、横縦(よこたて)揃(そろ)った、筋骨(きんこつ)の逞(たくま)ましい大柄(おおがら)の男子(おとこ)で、色(いろ)は余(あま)り白(しろ)い方(ほう)ではありません。
若(わこ)う人(ど)達のセレナーデが、夜っぴて米沢町の路地で競演する風景は、まことに哀れ深いものがあったでしょう。
富「へえお若(わこ)うげすね、御気力がお慥(たし)かだからお若く見える、頭髪(おぐし)の光沢(つや)も好(よ)し、立派な惜しい先生だ、此方(こちら)に置くのは惜しい、江戸へ入らっしゃれば諸侯方が抱えます立派なお身の上」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「極暑の頃からこの極寒にいたるまで、因幡(いなば)、伯耆(ほうき)の僻地(へきち)において長々の苦労。病みもしつらん、老いもしつらん、などと案じていたが、思いのほか、却って、若やぎて見ゆる。筑前、ひと頃よりは若(わこ)うなったのう」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)