若君わかぎみ)” の例文
付させられ懷姙くわいにんし母お三婆のもとへ歸るみぎり御手づから御墨付すみつきと御短刀たんたうそへて下し置れしが御懷姙の若君わかぎみは御誕生たんじやうの夜むなしく逝去遊おかくれあそばせしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
小太郎山こたろうざんへんいらい、そちの消息しょうそくがたえていたので、若君わかぎみをはじめ一とうの人たちが、どれほど、しんぱいしていたかわからぬ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御年紀おんとし十五の若君わかぎみ御戒おんいましめことわりに、一統いつとう感歎かんたんひたひげ、たかしはぶきするものく、さしもの廣室ひろま蕭條せうでうたり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「じゃあ、源氏げんじ若君わかぎみですね。」
牛若と弁慶 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
不運ふうんなりとは何故ぞと仰せければ女中ども若君わかぎみにはじつ太守たいしゆ光貞卿の御子にておはし候へ共四十二の御厄年おやくどしの御子なりとて御捨遊おすてあそばされしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「そちがさぐってきた、若君わかぎみのご異変いへん、また都田川みやこだがわ刑場けいじょうでおこなわれる時日じじつ、かならずまちがいのないことであろうな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宿やどし奉つり御形見おんかたみ等を頂戴ちやうだいし將監方をいとまを取生國は佐渡さどなれば則ち佐州へ老母諸共らうぼもろともに立歸りしが其後そののち澤の井殿には若君わかぎみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
若君わかぎみ時刻じこくをうつしては一大事です。ともあれ竹童を先にやって、てんおかのようすを、しかと見とどけさせましょう」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)