芽出めで)” の例文
長造が席につくと、神棚かみだなにパッと灯明とうみょうがついて、皆が「お芽出めでとうございます」「お父さん、お芽出とう」と、四方から声が懸った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
アア今日は芽出めでたき日ゆえ泣くまじと思いしに、覚えず嬉し涙がこぼれしとて、兄弟甥姪おいめいを呼びて、それぞれに喜びを分ち給う。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
らつしやい、お芽出めでたうございます、相変あひかはらず御贔屓ごひいきを願ひます、モシ、ちよいと御家内おかみさん、福富町ふくとみちやう旦那だんなが。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それは何をうたっているのやら、わけのわからないような歌で、おしまいに「や、お芽出めでとう」といって謡いおさめた。すると大抵たいていの家では一銭銅貨をさし出してくれた。
最後の胡弓弾き (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「それはお芽出めでたいことだったな。用心をしないと、気狂いになるかもしれないね。」
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
数十巻連続物などになると、おのずと筋の上にも場面の上にも同じようなものが出来て、その結局はどれもこれも芽出めでたし/\の大団円に終るようで、かえって興味がないようである。
活動写真 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
今は法学士の免状を得て、芽出めでたく帰朝せられし身ならずや、何故なにゆえなればかかる悲痛の言をなし給うぞ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
三途川さんづのかはおつこつて蘇生よみがへつた。妻「めうだね、まうれしい。女「んなお芽出めでたい事はございませんね。 ...
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「お父さん、今日はお芽出めでとう御座ございます」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ヤお芽出めでたうぞんじます、相変あひかはらず、きみ何所どこへ。甲「ぼくは七福神ふくじんまゐりくんだ。乙「旧弊きゆうへいな事を言つてるね、七福神ふくじんまゐりといへば谷中やなかくんだらうがしもどけで大変たいへんみちだぜ。 ...
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
イヨーお芽出めでたう、旧冬きゆうとうなにかと。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)