のぎ)” の例文
穗首まで黄いろくなり、のぎは金の針のやうに、今が丁度刈り時である。株は充分に張つて畝間は歩くのもやつとなほどだ。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
すなわちその一つは Lolium perenne L. で俗に Rye-Grass といい、ホソムギの和名があり、その花にはのぎがない。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ノギというのは麦ののぎのことで、この草の実の形が麦の穂に似ているからだと、説明しているがそれも信じられない。
それは天を往く列車であり、それにくらべれば地上を這いつくばうちっぽけな列車は槍の穂ののぎにすぎない。
これから私たちにはまだむぎこなしの仕事がのこっています。天気がわるくてよくかわかないでこまります。麦こなしはのぎがえらえらからだに入って大へんつらい仕事です。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
藁色わらいろ薔薇ばらの花、稜鏡プリズム生硬なまな色にたちまざつた黄ばんだ金剛石のやうに藁色わらいろ薔薇ばらの花、扇のかげで心と心とをひしと合せて、のぎにほひをかいでゐる僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
露つけて今朝すばらしく眞青まさをなりうしのしつぺいの放射線ののぎ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
次に外粰と内粰とが同じく向い合いになって居り、この内粰には長いのぎがある。次に極小い鱗被と云う二鱗片がある。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
麦こなしはのぎがえらえらからだに入って大へんつらい仕事です。百姓の仕事の中ではいちばんいやだとみんなが云ひます。この辺ではこの仕事を夏の病気とさへ云ひます。
イギリス海岸 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
露つけて今朝すばらしく真青まさをなりうしのしつぺいの放射線ののぎ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
のぎの穗に小寥ひるがほをみなへし遊びありかな月夜よろしみ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
のぎの穂に小寥ひるがほをみなへし遊びありかな月夜よろしみ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
花まじる深田ふけだの草ののぎの穂は夏の朝日に見るべかりけり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
国思ふ心はもとなとどまらず雨はさ青ののぎを流らふ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)