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色悪
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いろあく
ふりがな文庫
“
色悪
(
いろあく
)” の例文
かれが天性の色の白さも
際
(
きわ
)
だつのであるが、こう見くらべたところ、お十夜の
色悪
(
いろあく
)
な、一角の
魁偉
(
かいい
)
な、周馬のにきびだらけの面相などとは
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ああ、どうして、梶原という役は、あれで
色悪
(
いろあく
)
にはなっているが、ほんとうはなかなか腹のある奴だから、わりふられたって怒るがものはねえや」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ええ、そりゃありますとも。追分唄いの甚三馬子だの、宿場女郎のお北だの、あくどい
色悪
(
いろあく
)
の富士甚内だの。……」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
万次——弱そうな
色悪
(
いろあく
)
の万次は、胴
顫
(
ぶる
)
いしながらこんなことを言うのでした。よくよくお滝には
懲
(
こ
)
りた様子です。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この扇ひとつでも何かその人らしい
色悪
(
いろあく
)
らしい姿が浮かび上がってくるから妙である。さらに「先生は下戸でいらっしゃるから、金玉糖を詰めて腐らん様に致して」
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
▼ もっと見る
三十前から
綱
(
つな
)
では行かぬ恐ろしの腕と
戻橋
(
もどりばし
)
の狂言以来かげの
仇名
(
あだな
)
を
小百合
(
さゆり
)
と呼ばれあれと言えばうなずかぬ者のない
名代
(
なだい
)
の
色悪
(
いろあく
)
変ると言うは世より心不めでたし不めでたし
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
しかしその一心に剃刀を磨ぐ振りをしている
色悪
(
いろあく
)
ジミた横頬の冴えよう。……人間の顔というものは、心の置き方一つでこうも変るものかと思いながら鏡越しに凝視していた。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
自分があの
色悪
(
いろあく
)
と縁が切れて、じぶんをどう生かしてゆこうと自分の勝手になってきたのはうれしかったが、それでも、あの磯五ともう戦うことがなくなり、それに、今後じぶんは
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
とにかく権太は菊五郎が一世に名を
擅
(
ほしいまま
)
にせる
色悪
(
いろあく
)
を代表すべきほどのものにて、
燕翁
(
えんおう
)
が三代目菊五郎の権太はやや意気に過ぎて、この役は五代目の方
却
(
かえ
)
りて幸四郎に近きが如しといひしは
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
そうすれア人の噂も七十五日。いつかは消えてしまうのに。あの悪婆にそそのかされて。馬鹿ナ……。とんだことをやらかしたのだ。全体あの仕事はあいつの体にない役だ。一体
色悪
(
いろあく
)
というよりは。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
美しいお嬢様なり、姫君なりを連れての
道行
(
みちゆき
)
ではなかったし、あの男自身も、美男で
色悪
(
いろあく
)
な若侍とは言えまい。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかしそれは、何だか
色悪
(
いろあく
)
に引っかかったのがうれしくて泣いているような気がした。泣きながら、磯五とお高がまたいっしょになるだろうかとおもうと、嫉妬が芽ばんでくるのを押え得なかった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
何とも云へないその
色悪
(
いろあく
)
らしい、心憎いほどの巧さ。
吉原百人斬り
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
「そうなると兄貴と俺と
楯
(
たて
)
を突くようなもんだな、兄貴を向うに廻して、俺が
色悪
(
いろあく
)
を買って出るようなものだ」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
色悪
(
いろあく
)
としての磯五の正体をむいたものであった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
評判の
色悪
(
いろあく
)
の
公卿
(
くげ
)
さんに
籠絡
(
ろうらく
)
されてしまって、今はそのお
妾
(
めかけ
)
さん同様に暮らしているとか、聞きたがらない当人の耳へ、わざとするように苦々しいものがひっかかる。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
“色”で始まる語句
色
色彩
色々
色沢
色合
色紙
色艶
色褪
色香
色気