船員せんいん)” の例文
トーマスは船員せんいんの話をききながらも、まわりの物音ものおとに気をくばっていた。かすかな風の動きでも、ききのがさないようにしていた。
『えゝ、無責任むせきにんなる船員せんいん! 卑劣ひれつなる外人くわいじん! 海上かいじやう規則きそくなんためぞ。』と悲憤ひふんうでやくすと、夫人ふじんさびしきかほわたくしむかつた、しづんだこゑ
るまにふる船体せんたいこわれてしまい、金持かねもちも、わか船員せんいんしずんでしまえば、また船長せんちょうもその姿すがた見失みうしってしまいました。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もう、かれのことを船員せんいんにしゃべるどころではない。透明人間に耳をひっぱられ、ずるずるとくっついていくだけだった。
船長せんちょうややかにわらっていたが、わか船員せんいんたちは、をかがやかしました。このようすをて、金持かねもちは
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほがらかな声がひびいて、船員せんいんふうの気さくそうな男が、新聞しんぶん片手かたてにトーマスに近づき、ベンチに腰かけた。
「そうだ、ふね真珠島しんじゅとうけよう、おれたちは、それだけの冒険ぼうけんをするかわり、うんと報酬ほうしゅうをもらわなくちゃならない。」とわか船員せんいんたちは、ほかにもいつか甲板かんぱんうえあつまってきていて
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)