“膨(ふつく)” の例文
藍地(あゐぢ)に紺(こん)の立絞(たてしぼり)の浴衣(ゆかた)を唯(たゞ)一重(ひとへ)、絲(いと)ばかりの紅(くれなゐ)も見(み)せず素膚(すはだ)に着(き)た。襟(えり)をなぞへに膨(ふつく)りと乳(ちゝ)を劃(くぎ)つて、衣(きぬ)が青(あを)い。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
……女(をんな)の像(ざう)の第一作(だいいつさく)が、まだ手足(てあし)までは出来(でき)なかつたが、略(ほゞ)顔(かほ)の容(かたち)が備(そな)はつて、胸(むね)から鳩尾(みづおち)へかけて膨(ふつく)りと成(な)つた、木材(もくざい)に乳(ちゝ)が双(なら)んで、目鼻口元(めはなくちもと)の刻(きざ)まれた、フトした時(とき)……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)