ぱぎ)” の例文
毎晩これでしっかりとふくらっぱぎをしめつけて寝ると、きっちり三十日で天使のような足にすることができると書いてある。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ふくらっぱぎの白いところを臆面なく空中に向って展開しているような、洒落気しゃれけ満々たる女があろうとは思われないし、また、先刻の大きなわしにしてからが
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
夜道だから平生へいぜいよりは、ただでさえ長く思われる上へ持ってきて、凸凹でこぼこの登りをふくらぱぎれて、膝頭ひざがしらの骨と骨がれ合って、もも地面じびたへ落ちそうに歩くんだから、長いの
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
頭の上に垂れ下がっている萌黄もえぎの蚊帳、………夜目にも黒く、長々と解いた髪の毛の中の白い顔、………しどけないガウンの、ところどころにあらわれている胸や、腕や、ふくらッぱぎ
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
菱苅の指先に、肩に、ふくらぱぎに、悪場に挑む、ぬきさしのならない感覚が甦ってきた。
一の倉沢 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
いっそふくらぱぎにかみついてやりたくなるほど、いい様子なんでございまス。
おどかしでもしたら立ちのくだろうってんでせた小僧に幽霊を一役やらせたところが、いきなり下から火をつけられてめんくらって逃げ出して来たんだが、こいつはふくらぱぎ大火傷おおやけどをこしらえて